そういうことか

授業が始まって2週間が経ちました。
空き時間もまぁまぁあるんですが、宿題もまぁまぁあるので結構忙しいです。 
クラスメート達とも少しずつ馴染んできました。

今日は先日授業で、へぇーと思ったことを紹介しましょう。

 

私が通うストラスブール大学付属の語学学校IIEFでは、文法や読解を教える“語学”の授業の他に、
歴史、政治、ヨーロッパ機関など、大学の一般教養みたいな授業があります。

そのひとつに、Savoirs culturelsというのがあります。
時事問題などを題材にしながら、フランスの社会システムやフランス人の価値観を知るための授業です。

第一回は導入として、フランス人のステレオタイプ、フランス人とはどういう人々なのかについてでした。

4年も住んでれば、なんとなくは感じるところはありましたが、
フランス人の専門家？作家？によって書かれた文章を読んで、
ほぉ、なるほど～と思う所、満載でした。

それによると、フランス人というのは基本的に、物事のネガティブな面を強調する癖があるらしい。
言ってみれば、悲観的。文句を言うのが好き。
何を言っても、どんな意見にも、たとえそんなに悪くない状況でも嘆くべきことを見つけて、
「そうだね、でも。。。。」と続けたがる人達らしい。笑

文中では、アメリカ人はまず物事のよい面をみる、と対比されていたけど、
飲み会で上司や仕事の不満を言って意気投合する日本人はちょっとフランス人に近いかな。

大きく違うのは、フランス人はとにかくガンガン文句を言うところ！
フランス人は“文句を言うプロ”と表現されていましたが、デモやストライキの頻度を見てもそれは明らかですね。
スピード違反や駐車禁止の違反に対しても、約半数が抗議の手紙を出すらしいです。
いや、それはあなたが悪いでしょう。。。と思うのは間違えてる？＾＾
こういうエネルギーは、私達日本人はかなり薄いですよね。

ここからが目からウロコだった部分。
フランス人が何に対しても抗議するのは子供の頃から、
「文句を言わなければ、何も獲得できない。」という考えを刷り込まれてるからなんだそうです。
↑この状況が今の日本にはまずない。＾＾； 

先生が、6歳になる自分の娘から聞いて、先生も驚いたという話をしてくれました。
6歳といえば、年長さんか1年生くらいですよね。
その子が学校の話をしてくれた時に、「金曜日は討論の日だから、いちばん好き！」と言うのだそう。

何を討論するの？ときくと、

「学校生活のことで、気に入らないことを順番に言うの。」
それも、ただ不満を言うだけじゃなくて、何が悪いのか、どう変えたいのか、
変わったらどういうメリットがあるのか、論理立てて訴えるんだそうです。。。

ひぇー。6歳にしてそんなことをしているのか、フランスでは！
ビックリです。

外国人が集まった時に日本人の私が全く弁が立たないのは、
語学力の問題だけではないよー。そんな小さい時から議論してる人達には敵わないよ。。。

ちなみに6歳の彼女が訴えたことは、
「好きな男の子の隣の席に座りたい。」だったそうです。＾＾
そして、見事担任の先生を納得させ、席替えに成功したそうですよ。すげー。

家でも何かあると交渉にかかるから、たまったもんじゃないわよ、と先生もちょっと困り顔でした。

人は教育で作られるというのを、改めて実感した話でした。
日本も教育を真剣に考えた方がいいよ、と思いました。
想像するに、昔の（幕末~明治とか）日本人のエネルギーはすごいですよね。今みたいに臆病じゃない印象を受けます。
そういう素質がない訳じゃないってことでしょう。やっぱり戦争に負けたせいなのかな。
私は日本人であることを誇りに思っているけれど、国際社会でやっていくには、
そろそろ少し変わってもいいのかなと思います。
最近日本人はあまり海外に出たがらない、という話を聞くけど、
極端な話、一定期間でも全員外国に出てもいいくらいだと思う！＾＾；

最後に。フランス人はとにかく文句を言うという話をしましたが、
それには一定のポリシーがあるらしいです。

たとえば政治家にスキャンダルがあっても、不倫・隠し子などプライベートなことは問題ではない。
また、公金を使って家を借りてた、くらいのことは重要ではないと許すらしいです。（これは日本ではあり得ない）
ただし、金銭スキャンダルでほぼ黒だとバレているのに、白を切り続けるなど、
ある閾値を越えてしまうと、徹底攻撃の態勢に入るらしいです。

すぐ文句言うけど、懐は深いというか、不思議な人達ですね。 

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