SSブログ

アルザス陶器の里へ① [アルザス]

DSC03558.JPG
1月も2週目に入った頃、妹と友達と3人でアルザスの陶器の里へ行きました。
アルザスの北の方にあるSoufflenheimスフレンハイムとBetschdorfベチュドルフという村です。


大きな地図で見る

ベチュドルフには今回初めて行きましたが、実はスフレンハイムの隣り村でした。
やっぱりいい土が取れるのかなー。

隣村だけど、2つの村の陶器は全然雰囲気が異なります。
ベチュドルフの焼き物はグレーと青の渋い雰囲気。スフレンハイムのはカラフルでかわいらしい感じ。
どちらも素朴でいい感じの焼きものです。

DSC03550.JPG
まずは初めてのBetschdorfへ。うちから車で40分くらい。
アルザスらしい立派な木組みの家が並ぶ静かな(地味な)村でした。

到着いたタイミングが悪かった。。ちょうどお昼時。
市役所横にあるoffice de tourismeに行ってみたら、
担当の人が病気で4日間閉めてるとか。。。でも市役所の女性が親切に教えてくれました。
やっぱりアテリエは12-13時半頃までお昼休みなんですよね。

ということで到着早々、昼食をとることに。
と言っても本当に小さな村で、月曜の昼に開いてるレストランは数件しかない模様。。。
市役所で教えてもらったレストランへ。

村の外れの方にあるレストランは予想以上に立派で地元の人が結構来てました。
周りのテーブルの人がみんなアルザス語で話していてビックリ。
北部の村の方がアルザス語を話す人が多いって聞いてたけど、
30-40代って感じの人も普通にアルザス語で話していて不思議でした。
この辺りではかなり年配の人しか話してないから。

丁寧なウェイターさんが注文を聞きに来てくれたんだけど、
本日のメニューplat du jourは前菜がタルトフランべ、メインが塩豚です。
と教えてくれたっきり、メニューは渡される気配なし。
それしかないってことなのかなー?と思いつつ、
3人とも特に異存はなかったので、じゃそれでお願いします。と。^^;

Plat du jourで前菜・メインがついてるってお得ね。
それも前菜にタルトフランべって!それだけでお腹いっぱいになりそう~。

DSC03553.JPG
こんな形で出てきました。普通の3分の1か4分の1くらいのカット。珍しい。

DSC03554.JPG
そしてメインはサラダとポテトが付いて、ドーンと3人分大皿に載って。
これも珍しい~。

どれも美味しかったです。
お店の居心地もよくて、女3人いろいろおしゃべりしてゆっくりランチしました。
妹にもいかにもアルザシャンなランチを食べてもらえてよかった。
お会計したら、なんと1人8€でした。安っ!!
フランスは外食が高いので、このお値段でこのボリュームはビックリでした。

DSC03556.JPG
脱線が長くなりましたが、ゆっくりごはん食べていい時間になっちゃったので、
アテリエはネットで見て私が行ってみたいなと思っていた所へ。
ちょうどレストランのすぐ近く。

DSC03557.JPG
看板にExpo(展示)とあるように、このお店、奥に倉庫のようなひろーいスペースがあって、
たくさんの焼き物が展示販売されてました。

店内には大きなワンコが2匹。自由に歩いてました。
焼きもののお店で大きな犬が自由に歩き回ってるなんて、日本ではありえないなー。
2匹とも、とても大人しくて、犬好きのAプーがなでたら、すぐさまお腹をみせて懐いてました。^^

展示室の片隅ではおばあさんとそのお嫁さんと思われる2人の女性が作業してました。
平日のお昼でお客さんもだーれもいない。
日本人女子3人で大人しく見てたら、おばあちゃんが寄ってきて説明してくれました。

簡単に作り方を教えてくれました。その作り方がとても独特。(と私は思いました)
窯に入れて1050℃(だったかな?)になったら、窯の上部から塩、食用の塩化ナトリウムを窯に入れて
塩素が一気に蒸発し、予め陶器に塗られていた酸化コバルトの釉薬と反応して、
あの鮮やかな深い青色が作りだされるんだそう。
塩を入れる時に爆発するリスクもあり、危険を伴う作業なんだって。

何時間焼くのかは忘れてしまった。。。
こういうことは聞いたらすぐに書かないとだめだねー。

中には陶器全体がメタルカラーになってるのもあって、
それは?と聞いたら、そちらは酸化マンガンの色だそう。

その後、奥にある部屋の窯も見せてくれて、
そんな風に作っているなんて思ってもみなかったので、お話が聞けて面白かったなー。
少しはフランス語を学んでよかったと思った瞬間でした。

ベチュドルフの焼物はもともと食べ物を保存するためのもので、
つまりオーブンなどへは入れられないものだったそう。
しかし、おばあちゃんの息子さん夫婦の代になって新しい技術を取り入れ、
オーブンにも入れられるお皿を作り始めたんだって。

DSC03573.JPG

何か買って帰りたいなと思っていた私は、その“新製品”のココットを買うことに。
しかし、蓋を開けてみたら、なんかお皿の底に透明の結晶がビッチリ付いてて、ひび割れ。

これは正しいのか?と悩んでいたら、おばあちゃんが
「あら、これ塩がまだ付いてるじゃない!」と。

そう窯に過剰に入れた塩化ナトリウムが底に結晶化するので、
窯から出したら、それを取り除いて完成なんだって。

普通の食塩と同じだから、食べれるのよ、と削って食べてみせるお茶目なおばあちゃん。
奥で塩を落として、もってきてくれました。

DSC03572.JPG
とりあえず普通の食器として使ってみたー。

この伝統的なグレーと青の焼きもの以外にも、
いろいろな斬新な焼きものにも挑戦してるようでした。
全部同じ土から作られてるのよ、とおばあちゃんが教えてくれた焼きものたちは全く違う雰囲気で驚きでした。
焼く温度、土に埋めて焼くなど方法によって、全く異なる風合いになるものなんですねー。
木のようなテクスチャーのものもあって、ほんとにおもしろかった。

HPでもいくつか作品が見られるので、興味がある方はぜひ。
Le Grès de Remmy
http://www.gres-remmy.com/

おばあちゃんの話では、祖先がいい土を求めて移住してきて、この地で始めた焼き物。
昔は20軒以上あった窯元も、今や5軒ほどになってしまったとか。
帰ってからもらったパンフを見てビックリ。こちらの家族は1594年から陶芸家をやっていて、
フランスでもっとも古い家族運営の会社なんだって!!

伝統的なものだけでなく、新しい技術を取り入れながら、次へ伝えていく。
どこの国も職人さんって大変だなと思いました。

そうそう。これはすす?煙?の色だよ、と教えてくれた、黒っぽい色合いの焼き物は、
あなたたちならきっと知ってるかも知れないけど、Rakuの技術を取り入れてるものだと教えてくれました。
いかにも日本語らしい響きだけど、すみません、存じませんでした。

そしたら、ちょうど先日日本のテレビ番組を見付けて見ました!
Rakuとは樂焼そして、お名前だったんですね。
長い伝統を背負う職人いや芸術家の深すぎる哲学。とても面白かったです。

プロフェッショナル 仕事の流儀 「四百年を背負い、“今”を焼く 樂家十五代 樂吉左衛門」

長くなったのでスフレンハイムについては次回へ。 


タグ:アルザス
nice!(1)  コメント(0) 

nice! 1

コメント 0

コメントを書く

お名前:[必須]
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。

この広告は前回の更新から一定期間経過したブログに表示されています。更新すると自動で解除されます。